情報システム部のためのkintone(キントーン)入門

最近、ITシステム界隈で耳にするであろうkintone(キントーン)。
「kintone(キントーン)」とはサイボウズ株式会社が提供している「webデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービス」です。
私個人、最近kintoneを利用したシステムを開発したのでその感想などを記事にしました。
また、この記事ではkintoneが標準でもっているスレッド機能や、ワークスペースなどには触れません。
メインであるアプリ機能について語ります。
あくまで個人的な感想ですが、検討されている方の参考になればと思います。

kintoneのアプリという概念

kintoneで構築するシステムは基本的にアプリ単体もしくは集合体になります。(アプリ単体をシステムと呼べるかどうかはありますが・・)
そのアプリですが、「1アプリ=1画面」と理解して下さい。
例えば、顧客を管理する要件があれば、「顧客リスト」等適度な名称でアプリを作り、フォームデザインで必要な情報を入力するためのテキストボックスやラベルなどの部品を配置します。
一通り配置が終わり保存するとアプリが完成します。
基本的に作成はそれだけです。
これで、フォームを開いてデータを入力することができ、一覧で検索・表示が実現します。

アプリ=テーブル

フォームで部品を配置することは、データベースのテーブルにカラム定義を行うことと同意です。
よってkintoneは、「1アプリ=1画面=1テーブル」と考えて問題ないと思います。
ここら辺りが「webデータベース型の業務アプリ構築」と呼んでいる所以でしょう。

「Salesforce」や「Lotus Notes」と似てる?

ズバリ似てますね。
大分類的には同一カテゴリと言っていいかもしれません。
ただし、あくまで大分類、第一印象レベルといったところでしょうか。
また、システム化対象業務でも同一カテゴリといえるかもしれません。(システム化対象業務が似ている)
頻繁に「Salesforce」との競合になるみたいですし、「Lotus Notes」からのリプレースの話も多いようです。
(今更、「Lotus Notes」の新規導入はさすがにないかと・・)
あとは「Microsoft Access」で運用しているものも対象になりますね。
部品をフォームにマウスで配置するのは似ていますが、「Microsoft Access」はフォーム部品とテーブルカラムの関連付けが必要です。

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システム開発は変わったか?

うーん、どうでしょう・・・。
確かにアプリの画面はフォームで作成すれば「あーでもない、こーでもない」と言いながら作成することができますが、それはシステムではなく、画面定義であり基本設計であったりするもの。
従来から「Microsoft Access」などのGUIによる画面設計ツールでもできます。
それにシステム構築となりますと複数画面、複数機能・データの連携ですからそれなりの構築行為が必要です。
kintoneベースの開発について、Cybozu社は開発スタイルの革命的なことを言ってますが、そこまで言うほどではありません。
むしろアプリ開発(設定)が容易な分、何度も作り直しをしてしまい、その結果、工数増に繋がりかねません。
実際、ここら辺りはエンジニアのスキルしだいでしょうね。
フォームなどに具現化しなくても設計できる設計者なら特にメリットはありません。

カスタマイズは必要か?

簡単な入力や、運用面で工夫するなら必要はないと思います。
ただ、現実的には今あるシステムを置き換えることが多いと思います。
その場合、現場のエンドユーザーは不便になるのは間違いないでしょう。
C++やJavaで作ったシステムの完成度とはレベルが違います。
例えば、郵便番号入力で住所を検索するみたいなこともプラグインを導入するか、Javascriptで自作する必要があります。
ちなみに郵便番号検索プラグインはCybozuパートナーやフリーエンジニア製で約1万円と非常に安価で販売されていますが、その他のプラグインは結構値段が高く「10万円~」みたいな価格設定です。

営業支援系の小規模システムには最適

Excelで管理してたような営業支援情報などをkintoneに置き換えるのは効果的かと思います。
営業日報などは承認管理の機能もフル活用で便利です。
カスタマイズを外注しても100万円未満で収まることも珍しくありません。
ただ、営業支援は歴史的にシステム化、いや運用が難しい傾向にあります。
ここら辺りは各会社の状況によると思うのですが、最初はノンカスタマイズで運用してからの方がいいかもしれません

販売管理等基幹業務のリプレースは可能か?

お金をかければ可能です。
ただし、業務規模によって大きく異なりますが、数百万円~千数百万円程度の外注費、社内制作工数の覚悟が必要です。

リレーショナルデータベースではない

この大きな工数には明確な理由があって、前述の通り、kintoneは1アプリ=1テーブルです。
つまり、リレーショナルデータベースではありません。
マスタ系の情報などはルックアップ機能を使用して連結できますが、伝票ヘッダ部と伝票明細部には工夫が必要です。
表示するだけなら、関連テーブルという機能で簡単にできるのですが、入力ともなると伝票ヘッダアプリと伝票明細アプリにわかれているので、超使いにくいです。。
ここら辺りをカスタマイズするとなると、普通にC#やJavaでDBを使用したWEBシステムを構築するより工数がかかってしまう可能性もあります。

言っても定型WEBシステム

kintoneの場合、画面定義は簡単ですが、逆に画面周りのカスタマイズはとても手間がかかります。
ピクセル単位での調整はできないと考えていいですし、文字長ピッタリのテキストボックスなどもそれなりに面倒くさいです。
現状の業務システムがMicrosoft系で作られている場合、操作しにくい画面になります。
なんせ、マウス使用前提ですから、タブ移動なんかも制御困難と考えておいて下さい。

どう使う?

私個人の考えとしては販売管理等基幹業務系のシステムの場合、アウトプット部をkintoneにリプレースすると便利かと思います。
基幹システムから出力される情報をCSVでアプリにインポート。
ペーパーレス化が進むとともに、kintoneの権限管理やグラフ表示機能、承認機能などをフルに活かせます。
例えば売上情報系の資料はkintoneアプリで公開すれば役職に応じて情報にマスクができたり、その情報にアプリで追記して上司に確認・承認を依頼することもできます。
Excelへの出力もエンドユーザーが簡単にできるのでとても便利です。

情報システム部とkintone

情報システム部といってもガンガンシステム構築できるところから、コーディングのできないところまでレベル差はあると思いますが、コーディングができない情報システム部のはとても有益なサービスと思います。
逆にシステム構築できるところからすればもの足りないサービスかも知れません。

なにはともあれ、kintoneを試してみる

kintoneがどんなサービスなのかを知るには実際に触ってみるのが早いです。
システム業務に従事している人なら簡単でしょう。
kintoneはクラウドサービスらしく「30日間無料お試し」があります。
また、「cybozu developer network」で登録することにより「無償の開発者ライセンス」で試すこともできます。

おすすめは1年間有効の「無償の開発者ライセンス」です。

「cybozu developer network」 は、デベロッパー同士が課題を解決し合えるオープンなコミュニティです。cybozu.com 上のサービスにおいて、API ドキュメントを調べたり、Tipsやサンプルプログラムなどに質問したり、コミュニティを通じてデベロッパーに質問することができます。
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